XJAPANを知らないネットユーザーはいないだろう。
だが、若い方に聞かれる。
「ラルクがすごいのはわかるけど、Xってなんで大御所扱いなの?」
誰もが知る有名なXJAPAN。
たしかにミリオンセラーになったシングルは1枚もない。
しかし、毎年のように紅白歌合戦に出場し、ライブは成功させる。
なぜこれほどの根強い人気があるのだろう。
- Xの歴史
- HIDEの人気絶頂での死
- TOSHIの洗脳
- TAIJIの不可解な死
- ロックすぎるTAIJIの半生 病気事故逮捕ホームレス…
- Xはその後進化を遂げる
- TAIJIとYOSHIKIの和解
- Xの人気の秘密
- 映画 WE ARE X
Xの歴史
まず、Xを軽く紹介。
Xは、ひらたく言うと化粧系(ヴィジュアル系)というジャンルをメタルから派生させてきた先駆者的位置にあると思う。
そして今、世界的なビジュアル系バンドブーム。ネットでXを始め日本のヴィジュアル系バンドが海外でも人気なのだ。
Xは1982年幼馴染のピアノ兼ドラマーのYOSHIKIとヴォーカルのTOSHIにより高校生の時に結成される。
今では考えられないことだが、Xが結成された1980年代…若者たちは荒れていた。
当時の日本は校舎の窓ガラスを割るのが社会現象になっていた。
X JAPANの初期のテーマは破滅。
メンバー自身も喧嘩、酒、事故、破壊と親和性の高い個性を持ち、それでいて高い演奏技術と楽曲作成技術、心に残る作詞能力を有していた。
Xは頻繁にテレビ出演した。
知名度をあげていき、人々は熱狂した。
時代がXを求め、Xも時代を駆けた。
見た目だけではなく、Xはとがっていた。
ライブパフォーマンスでは火をふく。
楽器は破壊する。
宿泊したホテルでは部屋を破壊する。
居酒屋では店を破壊。
デビューした年にレコード大賞を受賞し、東京ドーム公演を成功させる。
ライブ会場前ではファンが黒ずくめの衣装をまとい円陣を組んだ。
Xはカルト的な人気を誇った。
Xは一気にスターダムにのし上がる一方で
・失神
・手術
・逮捕
・事故
・洗脳
・脱退
・大病
・死亡
・監禁
・ホームレス生活
と、次々に災難ともいえるべき事件が起きていく。
イギリスの新聞からは「世界一不幸なバンド」と紹介されたことさえある。
HIDEの人気絶頂での死
中でも語られるのは、HIDEというカリスマ・ギタリストの死であろう。
HIDEは、自宅のドアノブにタオルで首を吊った状態で死亡が確認される。
後追い自殺数が最も多いアーティストになってしまった。
(実弟の会見では事故の可能性もあると弁明されている。泥酔し、タオルで首の牽引しようとしたのではと。)
TOSHIの洗脳
他に有名な事件といえばヴォーカルのTOSHI洗脳事件だろう。
TOSHIは洗脳によりホームオブハートに10億円から15億円騙し取られ破産した。
現在のTOSHIは洗脳もとけ、歌い、再びX JAPANとしても活動している。
当時のインタビューでTOSHIは
「YOSHIKIの求める英語力に到達できない。」
「YOSHIKIの求める楽器になりたい。でも、自分でも表現したいものがある。」
著者では
「母が天狗になってきた…。」と、仕事や人間関係のストレスを抱えていたと吐露している。
心の隙間をつかれ洗脳されていたTOSHIだが、
・裁判でホームオブハート代表のしどろもどろの弁明を目撃
・TOSHIは子どもたちのためにと献金していたのに、代表が豪邸に住みTOSHIの当時の妻と同居
TOSHIは徐々に疑問に感じ、音楽関係者に脱出を手引きしてもらい逃亡し洗脳がとける。
復帰したTOSHIはバラエティ番組にも出演。
大のスイーツ好きで市販のアイスクリームを批評したりと活動の幅を広げている。
自分の歌いたい歌を自らセレクトしたカバーアルバムも発売。
現在はXとしても、1人のシンガーとしてもTOSHIを表現している。
TAIJIは著書の中で「TOSHIはXのヴォーカルとして先導者を演じていた。
でも、彼は三枚目なところが本当のキャラなのではないか。
自分のしたい音楽も、もっと持っているはずなんだ。」そう述べている。
TAIJIの不可解な死
HIDEが亡くなり、その3年後には元ベースのTAIJIも首を吊った状態でサイパンの拘置所内で発見される。
自殺と発表された。
んがっ、
・口に粘着テープのような跡。
・首にそれらしい痕がない。
・遺体にエバーミング処理がされず腐ってしまい、日本で検死されずに密葬される。
・金を欲求するメールが意識不明中であったはずのTAIJIの携帯電話から送られている。
・マネージャーとの不仲。
など、不審な点も多い。
他殺だったのではないかと死後10年経っても言われているが真相は闇の中だ。
ロックすぎるTAIJIの半生 病気事故逮捕ホームレス…
X加入当時、若干19歳のTAIJI。
PATAやHIDEが弾けないパートはギターも演奏する事故で中指の欠損している早熟のベーシストだった。
「おい、へたくそ。」と1歳年上のYOSHIKIのドラムにダメ出しできる地球上唯一の人間だろう。
TAIJIは口も悪く不器用な性格だが、本当は誰よりもXを、そしてYOSHIKIを愛していた。
TAIJIはYOSHIKIと喧嘩別れのように人気絶頂のXを脱退。
Xの曲はTAIJIとHIDEによりアレンジされていた。
TAIJIはYOSHIKIの曲を骨子から変え、HIDEは出来上がったものに彩を添える。
「俺はXで死ぬんだ。」と公言していたTAIJIはその後、Xよりも老舗の米デビュー済のテクニカルバンドLOUDNESSに引き抜かれる。
しかしTAIJIは精神を壊してしまう。
荒れた生活に最愛の妻子に逃げられ金も尽きる。
TAIJIは人との連絡を絶ち、一人は路上生活を送る。
そんな中、ホームレス狩にあい、角材で殴られて歯を失う。
Xはその後進化を遂げる
一方でXは、TAIJI脱退後にHEATHをベースに迎え発表したRusty Nailが Xでの1番のセールスを記録。
youtu.be
X Japan Rusty Nail from "The Last Live" HD
TAIJI脱退後もXは順調に見えた…。
が、ぶつかり合いの中から生まれる多様性は失われ失速した感もいなめない。
しかし、YOSHIKIは自身の世界観を前面に出す楽曲を創りだした。
HIDEは動かないXとは別にソロ活動を活発化させ名曲を次々にリリース。
TAIJIの脱退によりXの活動の幅を広げることにもなった。
Hide with Spread Beaver - Pink Spider
Xは曲のリリースペースが鈍化していった。
TOSHIは洗脳される。
Xは解散。
HIDEは死。
TAIJIとYOSHIKIの和解
その頃TAIJIは路上生活の劣悪な生活の上、持病が悪化し痩せこけて命の危機にあった。
Xに熱烈に勧誘してTAIJIをメンバーにし、辞めさせたのも、救うのもYOSHIKIだった。
HIDEの葬儀で再開した変わり果てたTAIJIに、歯の治療代として200万円を渡した。
TAIJIにかわり、かつての音楽関係者らは印税の受け取り手続きなどしてくれ、住む場所なども見つけてもらい家事なども世話してくれた。
TAIJIの身体は入院や周りのサポートにより死の淵から蘇り「不死鳥・沢田泰司」と呼ばれるように。
そして、TAIJIは音楽活動にも乗り出した。
婚約者とも巡り合った。
X JAPANドーム公演ではYOSHIKIとTAIJI、天才同士が共演し、抱き合う。
TAIJIは少しずつ活動を再開させる。
YOSHIKIも「TAIIJとはまたあるかも。」と発言。
しかし、これからほどなくTAIJIは帰らぬ人になる。
— Yoshiki (@YoshikiOfficial) 2017年6月24日
音楽フェス前のインタビューにてYOSHIKIは「ここにHIDEとTAIJIもいてくれたなら…。」と声を詰まらせていた。(↓12:25くらい)
Xの人気の秘密
なぜX JAPANの人気は衰えないか。
それは様々なドラマと共に成長していくメンバーと、心に残るセンスのある楽曲提供をしてきたからではないか。
そして、YOSHIKIのぶっ飛んだカリスマ性。
TAIJIは自身の著者でこう述べている。
「センスとは何か。
センスとは心の傷だ。
俺たちXのメンバー5人には、それぞれ心に傷があった。」と表現している。
名文なので引用する。
「センス」という言葉を辞書で引くと、
「物事の微妙な感じ(よさ)を知る心の動き」とある。
つまり、センスというのは
「心」にかかわってくるのだ。
「心」は努力では鍛えられない。
「微妙な感じ」がわかるということは、敏感で脆い心を持っているからだと思う。
だから俺は「センス」=「心の傷」なのだと思う。
心に持った傷、傷痕からセンスは生まれるといっても過言ではない。
ブルースが、その最たる例だ。
黒人たちの心の傷から生まれたブルースは、その後何年も歌い継がれている。
ブルースほど、どんな巧みな技術よりもセンスが問われる音楽はない。
俺たちXは、5人とも「心の傷」を持っている。
親の死、離婚、外見上のコンプレックス等々、一般的にはそう珍しいことではないかもしれないが、俺たちはその過程で「センス」を生み出してきた。
引用終わり。
なぜ、X JAPANの人気が衰えないか。
それはTAIJIに言わせれば、センス(心の傷)があった5人の生み出した音楽であったからであろう。
センスのある音楽は、同じくセンスのあるもの(ファン)の心に残る。
・高い演奏技術
・激しいパフォーマンス
・緻密な楽曲
・哲学的な作詞
Xは時代に媚びていたようで実は1ミリも媚びてなんていなかった。
一過性のブームで終わらなかったのは、何かある。
歌い続けられる何かがある。
YOSHIKIは、HIDEとTAIJIの命日や誕生日にはツイートしている。
ライブではHIDEのギターとTAIJIのベースを飾っている。
「7人でX 」YOSHIKIは何度も公言している。
「色々辛いことがあった人生で、1番辛かったのは、Xを辞めた時。」
そう言っていたTAIJIは、天国から大好きなYOSHIKIにハグしているに違いない。
後ろではHIDEも、きっと微笑んでいる。
映画 WE ARE X
YOSHIKIさんの壮絶な生い立ち、X JAPANの軌跡はこちらの映画をご覧ください。
このエントリの知識を持ってみていただけるとより楽しい内容です。
WE ARE Xは 無料視聴作品ではありませんが、アマプラ会員なら400円で視聴できます。
アマプラでは400円ですがdTVでは300円で視聴できます。
(docomoユーザーではくても加入できます。)
初月会費無料で加入できるので、WE ARE X用に加入もお勧めです。
(2021年1月現在)
YOSHIKIさんの心理・体癖考察動画はこちら。心理学講師で整体師(ソシャフィアさん)が「体癖」を専門家の視点から考察しています。
体癖ってなに?と思ったらこちらをご覧ください。
世界一簡単な”体癖”|ソーシャル・フィア・マネジメント|note
ひらたくいうと、体格と心の結びつきの統計的学問です。
トゥルス・カーラでした。
また後日お逢いしましょう。
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